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【アンチドーピングに関する方針】

近年、スポーツ界全体においてアンチドーピングへの取り組みが極めて重要な課題として取り上げられています。競技の純粋性と健全性を守ることは、私たち主催者のみならず、すべての競技関係者に課せられた社会的責任であり、この重大な課題に対して、主催者としても深い認識と誠実な姿勢をもって臨んでおります。

しかしながら、こうした理想を現実の制度として具現化するためには、単に理念を掲げるだけではなく、その理念にふさわしい運営体制と財政的基盤を確立する必要があることも、また厳然たる事実であります。

現在のところ、環境的・制度的要因などを鑑みて検討した結果、今後の環境整備を見据えつつ、「FABO TOKYO  CHALLENGE 2025」本大会においては現時点での運営体制におきましては、ドーピング検査の実施は予定しておりません。
しかしこの判断は、運営資金的な制約もあり、ドーピング検査体制を適切に機能させるための環境が整っておらず、アンチドーピングの理念を軽視したものでは決してありません。

私たちは、この現状を率直にお伝えしたうえで、決してこれを「行わない」という消極的な結論としてではなく、「現段階では実施が叶わない」という極めて現実的な状況認識に基づく判断であることをご理解いただきたいと願っております。

将来的には、社会情勢の変化や運営体制の強化を踏まえたうえで、ドーピング検査体制の導入について積極的に検討を進めてまいります。しかしながら、それは単なる制度の導入にとどまらず、制度が真に機能し、選手の信頼を確実に得られるものでなければ意味を持たないことを、私たちは強く自覚しています。そのためにも、拙速な制度導入ではなく、十分な財政的基盤と緻密な制度設計を整えたうえで、持続可能かつ実効性のある形で体制を築いていくことが重要であると考えております。

私たちは、スポーツにおける最も重要な価値は、選手一人ひとりが自らの行動に誇りを持ち、常に高い倫理観のもとに判断を下す強い意志を有することであると確信しています。ルールを遵守することはもとより、「私は自分自身に誇りを持てるか」「この選択は自分の理想にかなうものであるか」という内省的な問いを絶えず心に抱き続けることこそが、真のアスリートとしての証であると信じてやみません。

ドーピング問題は、単なる規制や監視によって解決されるものではなく、人間としての尊厳と誇りに根ざした、内面的な自己規律の積み重ねによってこそ、真に克服されるべき課題です。この大会が、選手一人ひとりが自らの誇りと向き合い、より高い次元での自己実現を果たす場となることを、私たちは心から願っています。

スポーツは、決して短期的な結果だけを求めるものではありません。日々の誠実な努力の積み重ねと、その過程における苦悩や葛藤、試行錯誤を通じて得られる経験こそが、やがて大きな成果に結実していくものです。アンチドーピングの精神もまた、単なる制度や検査の有無によって語られるものではなく、人間としての尊厳と誇りに根ざした、深い内省の中から自然と備わるべき価値観であると私たちは考えています。

私たちは、スポーツという営みが単なる記録や勝敗の競い合いにとどまるものではなく、人間の可能性を切り拓き、自己を超越していくための崇高な文化であると確信しています。

この競技の舞台に立つまでに費やされる膨大な努力と、数多の困難を乗り越えてなお歩みを止めなかったその過程こそが、競技において最も尊ばれる価値であると私たちは強く信じています。

これからも私たちは、すべての関係者の皆様と共に対話を重ね、誠実な努力を続けながら、誰もが心から誇りを持てる競技文化の実現に向けて、たゆまぬ歩みを続けてまいります。

私たちは決して立ち止まることなく、理想の実現に向けて挑み続けてまいります。

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